**きつねとぶどう**
『きつねとぶどう』
作 : 坪田 譲治
絵 : いもと ようこ
山の中のきつねの巣でこぎつねが泣いています。
『こーんこん、おなかがすいた・・・』
おやぎつねは言いました。
『待っておいで、今お母さんがおいしいものをとってきてあげる。』
1時間、2時間、3時間たってもおやぎつねは帰ってきません・・・
そのころ、山を3つこえ、ぶどうの村へたどり着いたおやぎつねは、
『おなかがすいて子供が泣いているのです。
すみませんががぶどうを一房いただきます』
そういって大きな房をとりました。
そして、また山を三つこえ、きつねの巣が近付いたとき、子供の声を聞いたおやぎつねは
気が抜けたのか、疲れて立ち上がれなくなります。
一本の木の下にぶどうを一房おいて少し休みました。
そのとき、すぐそばで『ワンワン』と犬の鳴き声がしました。
猟師が犬を連れて近くまで来ているのです。
おやぎつねは子供を心配し『はやくにげなさい!!』と叫びます・・・
その声を聞いてこぎつねは一生懸命逃げるのです。
そのあと・・・
いくら待ってもおやぎつねは二度とこぎつねのところには帰ってきませんでした・・・
何年か経ち、大きくなったこぎつねは久しぶりに昔住んでいた巣の近くを通りかかります。
そこには何が待っていたのでしょうか??
母親の愛情って動物も人間も同じですね♪
今回のお気に入りは・・・
『こんなところに ぶどうがあったかしら』
こぎつねはふしぎに思いながら、そのひとつぶをたべました。
何とおいしいぶどうでしょう。
『ああおいしい。ああおいしい。』
こぎつねはのどをならして、次から次へとたべました。
お腹いっぱい食べてくれて、きっとおやぎつねも喜んでるでしょうね♪
by sawanoehon
| 2008-12-05 14:38